全国大会の司会の思い出

2015年から2018年までの4年間、大学生や高校生の全国大会の司会者として決勝戦の舞台に上がるお役目をいただくようになった。観客の一人として客席から眺めていた頃と比べても、司会者の立ち位置から眺めるバトラーたちの姿はまた違ったものに見えてきた。とても楽しかった思い出。
岡野裕行 2021.12.20
誰でも

今年も大学生の全国大会が終わった

今年度の大学生によるビブリオバトルの全国大会「大学ビブリオバトル・オンライン大会2021」が2021年12月19日(日)に終了した。

今年の戦いの様子はツイッターにも書き残されている。ハッシュタグを追ってみる。

去年に続いてのオンライン開催となり、従来とは違った形にはなっているけれど、今年もとても盛り上がった大会になったと思う。

全国大会の司会を担当した思い出

COVID-19の影響で昨年と今年はオンラインによる開催になっているけれど、2019年までは全国から勝ち上がったバトラーが対面で本戦(準決勝および決勝)を行っていた。大学生大会の本戦会場は、隔年で東京と関西(京都・大阪)を交互に選ばれていた。

2014年までは会場で観客の一人として客席から観戦していたけれど、2015年からはビブリオバトル普及委員会の代表理事を務めていたこともあって司会進行役にご指名いただき、決勝戦の舞台に登壇するバトラーのすぐそばで発表の様子を見ることができた。2015年と2017年はよみうり大手町ホールで、2016年は京都大学時計台ホールで、2018年は立命館大学大阪いばらきキャンパスで、それぞれの会場で司会を務めてきた。2019年は司会者がカモシダせぶんさんに交代することになったので、司会として壇上に立つことはなかったけれど、ビブリオバトル普及委員会の代表として冒頭に挨拶する時間をいただいた。

同じく高校生の全国大会も決勝戦の司会を務めていて、2015年・2016年・2018年はよみうり大手町ホールで、2017年の早稲田大学井深大記念ホールで決勝大会が行われた。高校生大会は制服で参加する生徒さんがほとんどなので、大学生大会とはずいぶんと違った雰囲気を感じる。初々しさと緊張感と勢いが混じったような発表がとてもおもしろかった。

実際に司会者をお引き受けしてみると、客席からバトラーを眺めるのと、同じ舞台の横の司会者の位置で発表を聴くのとでは、見えてくる風景が全然違っていた。「万が一会場からまったく質問が出なかった場合」にバトラーに質問をする役回りも担っていたので、進行に気を遣いながらもバトラーの発表も集中しておく必要があって、舞台に上がっている間はこちらも緊張感が続いている。「バトラーのみんなには持てる力を最大限発揮してほしいな」と願いながら、毎年のようにバトラーと同じ舞台に立ってすぐそばで発表を聴いていた。発表前にひと言でバトラーを紹介する役目も担っていて、これもうまいタイミングできれいに紹介したいなと思いながら喋るようにしていた。

また、途中に挟まれるゲストによるトークセッションにもご一緒させていただくことが多くて、大学教員の立場らから読書文化やビブリオバトルの普及状況を語ったりした。ゲストが毎回のように豪華な方々ばかりなので、みなさんとお話するのはとても楽しかった。その後に「読書とは何か」というところを深く考え始めるようになったのも、こういう司会やトークのお仕事をいただけたことの影響もあったように振り返っている。

2018年と2019年の年頭の挨拶にも書いたのだけれど、高校生大会に出場してくれた生徒さんは、その後に大学生大会にも継続的に出場してくれて、再び全国大会の会場に進んでくる学生さんも出てくるようになった。
https://researchmap.jp/okano/social_contribution/31356773
https://www.bibliobattle.jp/aboutus/message/2019

全国大会に出場した人が、こうして長く楽しく活動を続けていく様子を見るのはとても嬉しいことだ。毎年のように大会の開催を続けてきたおかげで、「再び全国に!」という人が出てくるのがとても嬉しくて、毎年打ち合わせで出場者名簿を見るのが楽しみの一つだった。

今は代表理事のお役目も退任したので、今後はもうこんな風に全国大会の司会者を務めることはないと思う。それでも代表理事の在任中に、何度もそういう機会をいただけたのはことはとても貴重な経験になっていて、たまたまこういったタイミングで代表理事のお役目を担っていたことにとても感謝している。貴重な場面を何度も見ることができて、ほんとうにこの仕事は役得でした。私が代表理事を務めていた任期中の大きなお仕事の一つでもあって、これらの全国大会の司会の立場は、代表理事としての自覚を芽生えさせてくれています。それぞれの年度の大会で、同じ時間を過ごしてくれた全国大会出場バトラーの皆様にも改めて感謝の言葉を伝えたいです。

また、それぞれの大会ではビブリオバトル普及委員会の方々が準決勝の司会を担当されています。全国大会の運営を支えてきたビブリオバトル普及委員会の関係者のみなさまにも感謝申し上げます。

近藤さんと金本さん

全国大会の司会のお役目は、大会によってアナウンサーの近藤麻智子さんか金本美紀さんのどちらかと組む形になっていた。お二人には毎年のように的確な進行でお世話になってきた。プロのアナウンサーの安定した司会があると、ずいぶんと気持ちも楽になった。

お二人とは待ち時間にちょっとした立ち話をする機会もあって、絵本セラピスト/絵本専門士でもある近藤さんからは「絵本ヨガ」という活動も教えていただいた。

私が全国大会の司会を務めていたのは2015年から2018年の4年間でしたが、年に2回だけお二人にお目にかかるのをとても楽しみにしていました。お二人にも改めて感謝を申し上げます。

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